扉 ~カクテルの味は恋の味?~
「真奈美ちゃん、どこか行きたいとこある? 」
「ど どこでも・・・真柴さんは?? 」
「真奈美ちゃんの行きたいとこに行きたい。」
真奈美は、真柴の言葉がいちいちうれしかった。そして、少し困った顔で考えた。
「うーん・・・あっ、水族館とか。」
真奈美はスマホで検索して真柴に見せた。
「ここ綺麗だとこの前テレビでやっていて、行ってみたいなと思っていました。」
「いいね。では○○駅に11時はどう? どこかでランチしてから水族館行こうよ。」
「ハイ。」
「じゃ、今日はもう遅いから送っていくよ。」
「ハイ。ちょっと化粧室に行ってきます。」
真柴はマスターを見て指でgoodの合図を送った。
マスターはそれを見てにっこり微笑んだ。
「マスター、真奈美ちゃんを送って今日は帰るねー。」
「おーがんばれ!! 」
化粧室から戻ってきた真奈美を真柴は連れて店を出た。
真柴は外に出ると直ぐに真奈美の手をとってぎゅっと握った。それだけで真奈美はドキドキしていた。
「少し歩く? この先の海岸公園行ってみない? 少し寒いけどあそこ夜景綺麗だよ。今日天気いいし。」
「はい。行ったことないので楽しみです。」
二人は手を繋いで歩いた。
海岸公園に付いて、二人並んでベイエリアの夜景を見た。冬の凛とした空気のせいか、キラキラととても綺麗だった。少しの間無言でその景気を見ていた。
真柴は真奈美の手をギュッと握りなおした。
「真奈美ちゃん、キスしていい? 」
真柴は答えを待たず真奈美にキスをした。真奈美の頬に手を添えて優しいキスを。真奈美はキスも初めてだったので、ひざががくがくした。フワフワして、真っ白になった。
「真奈美ちゃん・・・やっぱりこれから僕のマンションに来て。ここからはすぐだよ。」
(こんな気持ち初めて・・・もっと一緒にいたい・・もう大人だし・・・)真奈美は下を向いて、コクッと返事をした。
真柴は手を繋ぎ、その手をコートのポケットに入れ寄り添い少しだけ速足で歩いた。
真奈美は心臓の鼓動が真柴に聞こえてしまうのではないかと思った。遂にこの時が来てしまった。(私今日何着ていたっけ、下着は・・・初めてだし・・・どうしよう・・・)