扉 ~カクテルの味は恋の味?~

 5月の連休も明け、中旬になった。
 葛城は不定期にPortaに来ているようだ。真奈美はあれ以来会っていない。

 真奈美は思い切ってマスターに聞いてみた。
「葛城さんは最近来ているんですか? 」
「あー、来ていない。4月中旬まで結構来ていたんだけど、大きな仕事があって忙しいと言っていたよ。たしか5月末ごろまでって言ってたかな。大変な仕事なんだね~」
「そうなんですね。どんなお仕事なんだろう? 」
「興味あるの? 仕事? 葛城さん? 」
真奈美は真っ赤になった。
 マスターは真奈美の気持ちがわかっていた。(そろそろ新しい恋をしてほしいなー。)


1時間後
「ご無沙汰です。」
「あー葛城さん。仕事落ち着いたの? 」
「はい、殆ど。あとは、クライアントと微修正するだけです。」
「それはお疲れ様。」
「長年お仕事している会社の周年行事で社史を映像化する大きなお仕事を頂いて、6月10日に周年パーティでお披露目をするんです。」
「他の会社の人も見るんでしょ。ますます仕事増えちゃうかもね~。」
「そうなればうれしいですけどね。でもそれだと身体持たないかも・・・」
「葛城さん、真奈美ちゃん葛城さんが来るの待ってたよ~。」
(マスターったら、何言ってるんですか・・・恥ずかしい 真っ赤)
葛城は真奈美の顔を見て微笑んだ。
「ありがとう。この前楽しかったよね、ワインも美味しかった。今日はこの後僕の会社の仲間が来ます。だから4人です。マスター、今日はテーブル席いいですか。」
「こんばんわー」と言って直ぐに3名の男の人が入ってきた。
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