扉 ~カクテルの味は恋の味?~

 金曜日の夜が少し変わった。

 Portaに急いで行って、経理の仕事を早めに済ませた。
 丁度終わるころ葛城チームのみんなが店に来る。最近は私もあたりまえのようにテーブル席に行って、5人で楽しい時間を過ごした。
「今度、みんなでキャンプに行くの。真奈美ちゃんもどう? 加納の奥さんも来るし。」
「うちの奥さん、毎年楽しみにしていて、昨年子供が出来て行けなかったからって、今年は絶対行くってきかなくて、子供を両親にあずけるって騒いで大変だったの。でもご両親が1日だけなら預かってもいいって許してくれたから、いまからウキウキで。メチャ機嫌良いんだ。」
加納は楽しそうに言った。
「加納さんの奥さん明るいもんね。楽しい人だよね~」
ジョニー君が加納さんをからかっている。
真奈美は行きたいと思った。(絶対楽しそう) あまり深く考えずに答えた。
「行きたいです。でも、キャンプって何用意すれはいいんですか? 」
「大丈夫。何も必要ないよ。キャンプっていってもコテージになって、バスもトイレもあり綺麗だよ。だから安心して。普段着で大丈夫だよ。」
葛城が笑顔で答えた。

 マスターが来た。
「いいなーキャンプか。楽しそう。じゃ、僕 差し入れするよ~」
みんなは喜んだ。
「やったー。ありがとうございま~す。」
真奈美はキャンプが楽しみだった。

 でもこの日化粧室で加納さんと榊さんが話しているのを聞いてしまった。

「葛城もこれでもう忘れられるな。真奈美さんと付き合い始めて明るくなった。」
「そうだな。ほんと良かったよ。」
真奈美は気になった。葛城さんは何を忘れられるのだろう・・・
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