扉 ~カクテルの味は恋の味?~
真奈美は少し考えてからこう切り出した。
「あの~引き受ける条件として3つのお願い聞いてもらってもいいですか? 」
マスターは、(お願いが3つ? 結構多いよね、やっぱりこの子しっかりしている・・・)と思ったがなんだか楽しくなった。
「なぁに? 」
「会社には内緒ですから、表向きマスターと私、遠い親戚ということにしてもらえますか。万が一の為に。」
「ぜーんぜんいいよ~OK。あとは? 」
「このお店、ホームページないですよね。さっきスマホで確認しました。私に作らせてもらえますか。」
マスターは驚いた。
「願ってもない話! 作れるの? すっごい! 」
「そんなに凝ったものは作れませんが、作れます。カクテルの裏話面白そうだから、それに物語も付けちゃったりして・・・(ムフッ 楽しそう)私空想して物語書くのも結構好きなんです。」
「なんだかもうイメージ出来ているみたいだね。是非是非お願いします。」
「カクテルのこと勉強しますので、いろいろ教えてください。(ペコ) 」
「勉強? ハハハ 真奈美ちゃんらしい! ドーゾヨロシク!! それで最後のお願いはなぁに? 」
真奈美は恥ずかしそうにして言った。
「あの・・・実は私今日で30歳なんです。でも彼氏もいないし。あっ、今までずっといません。お付き合いしたことがないんです。男の人とあまり話もできないし・・・出会いの場もありません。だからその・・・マスターのお眼鏡にかかった人紹介してもらえませんか。」