扉 ~カクテルの味は恋の味?~

 コテージに帰り、葛城は優しくキスをした。
「真奈美さん、好きだよ。今日さらに惚れ直した。大好きだ。」
 葛城は真奈美を抱きしめ、いつもより激しいキスをした。
 真奈美も、「大好きです。葛城さん・・・」と言うのがやっとだった。
 葛城は真奈美をベッドに連れていき、やさしくそして時に激しく抱いた。
 真奈美は感じた。何度も何度も。(真奈美・・・翔さん・・・)
 朝、明るくなってくるまで求め合った。


 鳥の声で目覚めた。
 外から爽やかな空気と日差しが入って来た。
 葛城は、外のベランダにいた。
「おはようございます。」
「あっ起きた? おはよう。良く寝ていたから 起こさないようにと思って・・・ 」
「すみません。良く眠れました」。
真奈美は恥ずかしそうに答えた。
 葛城は真奈美の手を引いて抱きしめ、また「おはよう」と言ってキスをした。
「今日は、二人きりだよ。何しようか?・・・良ければこの先に庭園の綺麗な美術館があって、以前そこで撮影したんだけど、ゆっくり行ってみたいとおもっていたんだ。どうかな? 行ってみる? レストランもあるからブランチはそこで。」
「是非行きたいです。」
 二人はコテージを出た。他のカップルはまだコテージにいるようだった。

 車で1時間弱位のところにその美術館はあった。美術館は自然に溶け込んでいてとにかく素敵だった。展示は地元の作家さんを中心にされていた。そして庭園は、派手さはないけれど土地の樹木で構成されており、とにかく最高だった。葛城は手をつないだり、肩を抱き寄せたり、たまにキスをしたり、今までの時間を取り戻すかのように真奈美を愛でながら庭園を歩いた。真奈美は幸せだった。既に真柴のことは忘れていた。
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