扉 ~カクテルの味は恋の味?~

お客さんが入ってきた。
「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ。」
 マスターはすかさず声をかけた。
真奈美は帰ることにした。
「そろそろ失礼します、今日は本当にありがとうございました。御馳走様でした。誕生日の良い記念になりました。そして素敵な提案をありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。」
真奈美は丁寧にお辞儀をした。
真面目な真奈美に対してマスターは嬉しそうに微笑んだ。
「じゃあ、パソコンは用意しておくからね。真奈美ちゃんこれからよろしくね。」
「わかりました。近いうちにまた来ます。」

毎週金曜日、真奈美は店に通うことに決めた。
バーの名前はPorta (ポルタ)、 イタリア語で扉のこと。
マスター曰く、人にはいろんな扉があって、それを開ければ新しい世界を見られる。新しい人に出会える。そんな扉の一つになりたい・・・との想いから命名したとのこと。
ロマンチストなマスター、そんなところ素敵。
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