悪役令嬢の幸せ愛人計画〜王太子様に(偽)溺愛されています〜
(こ、これ一つで、さっきの私の借金を返しても余るくらいなのではないかしら……?!)
固まるユリアーネにリーヴェスは手を伸ばす。ユリアーネの肩まである髪を耳にかけた。
「君の紫色の瞳が綺麗だから、紫色の宝石でアクセサリーを作るのも良いね」
ユリアーネの髪を弄びながら、リーヴェスはニコリと微笑む。こっちも既製品だけど……と言いつつも、リーヴェスはドレスを箱から出してくる。
(公爵家でも、こんな良い品貰えなかったのに……。こんなに高待遇……)
公爵家でも良い暮らしをさせてもらっていた、と思ってはいたのだが、それ以上の待遇。ユリアーネは口元に手を当てた。
勝手に借金の連帯保証人にされたまでは、不幸な話である。
しかし、いきなり第一王子が現れて、借金を完済し、借金よりも高価なプレゼントを渡される。
あまりにも都合の良い話である。
「まさかこれって後で請求されるんじゃ……?!」
「そんなケチな事しないからね」
ハッと思い当たったユリアーネに、リーヴェスは即座に反応した。
「請求なんてしないよ。これは経費だよ」と続けられたが、それはそれで何とも言えない気分になる。つまりは借り物的な解釈で良いのだろうか。
ユリアーネはそっと手に持っていたアクセサリーの小箱を机の上に置いた。元々物の扱いが雑な訳では無い。だが、高価すぎて怖いのだ。汚したり壊さないように気を付けなければ。
固まるユリアーネにリーヴェスは手を伸ばす。ユリアーネの肩まである髪を耳にかけた。
「君の紫色の瞳が綺麗だから、紫色の宝石でアクセサリーを作るのも良いね」
ユリアーネの髪を弄びながら、リーヴェスはニコリと微笑む。こっちも既製品だけど……と言いつつも、リーヴェスはドレスを箱から出してくる。
(公爵家でも、こんな良い品貰えなかったのに……。こんなに高待遇……)
公爵家でも良い暮らしをさせてもらっていた、と思ってはいたのだが、それ以上の待遇。ユリアーネは口元に手を当てた。
勝手に借金の連帯保証人にされたまでは、不幸な話である。
しかし、いきなり第一王子が現れて、借金を完済し、借金よりも高価なプレゼントを渡される。
あまりにも都合の良い話である。
「まさかこれって後で請求されるんじゃ……?!」
「そんなケチな事しないからね」
ハッと思い当たったユリアーネに、リーヴェスは即座に反応した。
「請求なんてしないよ。これは経費だよ」と続けられたが、それはそれで何とも言えない気分になる。つまりは借り物的な解釈で良いのだろうか。
ユリアーネはそっと手に持っていたアクセサリーの小箱を机の上に置いた。元々物の扱いが雑な訳では無い。だが、高価すぎて怖いのだ。汚したり壊さないように気を付けなければ。