悪役令嬢の幸せ愛人計画〜王太子様に(偽)溺愛されています〜
「……つまり、今は敵と膠着状態だから、私という存在で状況を無理に動かしたい……という事でしょうか……?」
ある程度の情報から、ユリアーネなりに冷静に分析をする。
「話が早くて非常に助かるよ。流石、と言うべきか……」
「え?」
助かるよ、の後に続けられた言葉は小声で、ユリアーネの耳にはよく入ってこなかった。
「アマーリエ嬢の協力者が、中々尻尾を掴ませてくれなくてね。だから、お互い行き詰まっているんだよ」
ユリアーネの顎に手をかけたまま、指の腹で頬を撫でた。まるで、大事な大事な壊れ物を扱うかのように。細められた紅色の瞳が爛々と輝く。
「せっかく君を買ったんだ。しっかり返してもらうよ。――その身体で」
ユリアーネは、ゴクリと喉を鳴らした。
(そうだ。この人は私の事を助けてくれた。お金を貰っているからには、ただの愛人じゃなくて、プロの愛人……)
ユリアーネは両手に拳を作って、意気込んだ。
「分かりました!立派な愛人になれるように頑張りますね!」
「いや、立派な愛人って……」
ふは、と気を抜いたようにリーヴェスは吹き出す。リーヴェスの笑い等気にならない程、ユリアーネはもう1つの問題についても再度決意した。
絶対に賞金首だとバレないようにしなければ。
ある程度の情報から、ユリアーネなりに冷静に分析をする。
「話が早くて非常に助かるよ。流石、と言うべきか……」
「え?」
助かるよ、の後に続けられた言葉は小声で、ユリアーネの耳にはよく入ってこなかった。
「アマーリエ嬢の協力者が、中々尻尾を掴ませてくれなくてね。だから、お互い行き詰まっているんだよ」
ユリアーネの顎に手をかけたまま、指の腹で頬を撫でた。まるで、大事な大事な壊れ物を扱うかのように。細められた紅色の瞳が爛々と輝く。
「せっかく君を買ったんだ。しっかり返してもらうよ。――その身体で」
ユリアーネは、ゴクリと喉を鳴らした。
(そうだ。この人は私の事を助けてくれた。お金を貰っているからには、ただの愛人じゃなくて、プロの愛人……)
ユリアーネは両手に拳を作って、意気込んだ。
「分かりました!立派な愛人になれるように頑張りますね!」
「いや、立派な愛人って……」
ふは、と気を抜いたようにリーヴェスは吹き出す。リーヴェスの笑い等気にならない程、ユリアーネはもう1つの問題についても再度決意した。
絶対に賞金首だとバレないようにしなければ。