悪役令嬢の幸せ愛人計画〜王太子様に(偽)溺愛されています〜
親同士が決めた事だから、別に愛してない、なんて堂々と言えるはずもない。
心の中でユリアーネは頭を抱えた。アンゼルムは腰に手を当てる。
「……ここまでコンスタンツェがお前の事を考えているのに、まだお前はコンスタンツェが嘘を言っていると?」
「そんな事は申してはおりません。ただ……、」
ユリアーネは呆れの気持ちを隠すように目を伏せる。
「コンスタンツェ様と私はどうやら少しの行き違いがあるのではないか、と」
(私は皇太子妃の座は要らないと、直接言えたら良いのに……!皇太子殿下相手に不敬になってしまうから、言えないのがもどかしい……)
ユリアーネの心情など知らないアンゼルムは、スッと腰に当てていた手を挙げる。どこからともなく、近衛兵が人々の間を縫って現れた。突然の登場に、周囲の貴族もちらほらと驚きの声が上がる。
ユリアーネも予想外の展開に目を見開く。
(これは――)
心の中でユリアーネは頭を抱えた。アンゼルムは腰に手を当てる。
「……ここまでコンスタンツェがお前の事を考えているのに、まだお前はコンスタンツェが嘘を言っていると?」
「そんな事は申してはおりません。ただ……、」
ユリアーネは呆れの気持ちを隠すように目を伏せる。
「コンスタンツェ様と私はどうやら少しの行き違いがあるのではないか、と」
(私は皇太子妃の座は要らないと、直接言えたら良いのに……!皇太子殿下相手に不敬になってしまうから、言えないのがもどかしい……)
ユリアーネの心情など知らないアンゼルムは、スッと腰に当てていた手を挙げる。どこからともなく、近衛兵が人々の間を縫って現れた。突然の登場に、周囲の貴族もちらほらと驚きの声が上がる。
ユリアーネも予想外の展開に目を見開く。
(これは――)