チョコよりも甘いキミの溺愛。
私、野中瑠璃(のなかるり)。高校2年生。明日はバレンタインで先輩に渡すチョコを作っている真っ最中。
先輩とは私が初めて好きになった人。
向坂冬馬(さきさかとうま)先輩。それが彼の名前。
黒髪のくせっ毛で、イケメン。背が高くてモデル並の体型でとにかくモテる。優しいし、勉強も運動もできる。
そんな完璧な先輩にずっと片想いをしてきた。
無謀な恋だとわかっていても一目惚れしてしまって、気づいた時は好きになっていた。1年生の頃は関わる機会がなかったんだけど、2年生では委員会が同じで仲良くなった。
先輩は噂通りの人でとっても優しい。
私を見る目、優しい笑顔。
どこをとっても完璧で私はますます先輩のことが好きになった。好き、の気持ちは膨らんでいくばかりなのに告白する勇気がでなくてズルズルと片想いを引きずってきた。
だけど気づいたら先輩は来月卒業してしまう。
この想いは叶わないかもだけどせめて告白だけはしようと決めた。