チョコよりも甘いキミの溺愛。

幸い、明日は先輩が登校日だったので放課後を狙って渡そうと思う。


結果が惨敗でも、気持ちを伝えることに後悔はしない。これは私の気持ちのケリをつける大事な行事といっても過言ではない。



「先輩、喜んでくれるかな」



先輩は甘いものが苦手だから少しビターなガトーショコラにした。初めて作るお菓子だから心配だったけど練習したかいがあってか上手くできそう。


あとは焼けたら冷蔵庫で一晩冷やして明日の朝、ラッピングすればいいだけ。


うわー、絶対先輩明日チョコまみれになってそう。学年かまわず彼はモテるから私のチョコが埋もれてしまわないかな。


それだけが心配。



「そーだ、先輩にメッセージ送っとこう」



私はスマホを取り出して明日、放課後屋上で待ってますとだけメッセージを送る。


夜中だというのに先輩はすぐに既読をつけて、わかったとだけ返信がきた。
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