Valentine’s Day〜争奪戦の始まり〜
「俺に作れそうなの……。そうや!マシュマロにチョコかけるのとかどう?」

「アウトー!」

明が提案すると、姉にお尻を勢いよく叩かれる。ジンジンと痛むお尻を押さえ、「何で叩くん?この馬鹿力!」と明が言うと、姉は「お菓子用意しようって言うんやったら、ちゃんとお菓子の意味も調べな、馬鹿!」と返される。

バレンタインやホワイトデーに渡すお菓子には意味が込められているものがあり、マシュマロは「あなたのことが嫌いです」という意味になってしまうのだそうだ。ちなみに、バレンタインに渡す定番となっているチョコレートには何の意味もないらしい。

「んじゃあ、何を用意したらいいん?」

「ん〜、意味を調べて渡したいもんを見つけたら?」

姉に言われ、明はバレンタインのお菓子の意味を検索して調べていく。知らなかったことばかりで、お菓子を用意するのはこんなにも大変なのだとわかった。そして数十分後、「もっと仲良くなりたい」という意味が込められたマドレーヌを姉と作ることにし、材料を揃える。
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