Valentine’s Day〜争奪戦の始まり〜
(あんなに優しい人、初めて見たかもしれないな……)

恋に落ちたと自覚した時から、陸斗の中でどんどん想いは溢れていく。自分自身でも知らないうちに結衣に対する気持ちを制御できず、結衣のことをチラチラと見てしまうのだ。

「俺の隣を選んでくれますように……」

焼き上がった可愛らしいマカロンをラッピングし、陸斗は赤い頬をしながら呟く。その目はどこか不安げに揺れていた。








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