おとぎの国の桜

あの時、ほんの少しの勇気があれば…。


【〜塔の上の幼き髪長姫〜】


森の奥深く、美しい歌声が聞こえる。



そこには高い高い塔があった。




桜皇子はそこを登り、塔のてっぺんの部屋へと入っていった。




すると、1人の美しい髪の長い姫が怯えていた。




「どうして、そんなに怯えてるんだい?」と桜皇子はたずねる。




「私、男の人を見たことがなくて…。」




「怖いかい?」王子はにこっと笑った。




「いいえ…///」姫も笑い返してくれた。それはあどけない少女だった。




「君はこの塔から出たことがないのかい?」




「はい。私は1度もこの塔から出たことがないのです。」





「来るかい?ボクと…。」にこっと差し伸べる桜皇子。




「私は…、この塔から出ることは出来ないのです。ママ母がこの塔からでては危険だと言うので。」





「そっか、残念だ。また来よう。」と王子は笑って塔をするすると降りていった。





私に外に出る勇気があれば…。私は悲しくなって泣いた。



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