一途な淫魔の執着愛〜俺はお前しか一生抱かない〜
一月の気候が暖かくなっている気がする。去年の今頃はもうコートを羽織っていたのに今夜はまだ薄手のカーディガンで十分な寒さだ。
今日は久しぶりに付き合って三ヶ月が経つ彼氏、商社勤務の田中太郎(たなか たろう)とのデートの日だ。仕事終わり、待ち合わせの喫茶店までの歩道にはパラパラと枯れた落ち葉が舞い落ちていた。シャクっと踏むと良い音を鳴らす落ち葉の音についまた踏みたくなってしまう。日和は楽しくなってきて待ち合わせの喫茶店までの道のりをシャクシャクと音を鳴らしながら歩いた。
カランカランと昔ながらのドアが開いた時のチャイム音。クラシックが流れる店内はシックで落ち着いた雰囲気だ。
「太郎、お待たせ」
「ああ」
席に座る。既に太郎はホットコーヒーを頼んでいたようで既にカップの中は半分くらい減っていた。
すいません、と店員に同じホットコーヒーを頼み着ていたカーディガンを脱ぎ膝の上に乗せる。
「二週間ぶりだね。元気だった?」
「ああ」
「どうかした?」
なんだか気怠そうな返事に日和は不安感を抱いた。いつもと同じパターン。これは――くる。
「別れてくれ。もうお前とは付き合えないわ」
やっぱり。
「どうして?」
いちよう聞いてみる。
「お前と一緒にしてもつまらないんだよ。それに今どきマグロ女って、ははっ、身体の相性も悪いし。そう言う事だからじゃあな」
日和の頼んだホットコーヒーが運ばれて来るよりも先にカランカランとドアの音が店内に鳴った。
(マグロ女か……仕方ないじゃない。気持ち良くないんだから)
日和はまたか、と思いながらテーブルの上に置かれた千円札をボーッと眺めた。
今日は久しぶりに付き合って三ヶ月が経つ彼氏、商社勤務の田中太郎(たなか たろう)とのデートの日だ。仕事終わり、待ち合わせの喫茶店までの歩道にはパラパラと枯れた落ち葉が舞い落ちていた。シャクっと踏むと良い音を鳴らす落ち葉の音についまた踏みたくなってしまう。日和は楽しくなってきて待ち合わせの喫茶店までの道のりをシャクシャクと音を鳴らしながら歩いた。
カランカランと昔ながらのドアが開いた時のチャイム音。クラシックが流れる店内はシックで落ち着いた雰囲気だ。
「太郎、お待たせ」
「ああ」
席に座る。既に太郎はホットコーヒーを頼んでいたようで既にカップの中は半分くらい減っていた。
すいません、と店員に同じホットコーヒーを頼み着ていたカーディガンを脱ぎ膝の上に乗せる。
「二週間ぶりだね。元気だった?」
「ああ」
「どうかした?」
なんだか気怠そうな返事に日和は不安感を抱いた。いつもと同じパターン。これは――くる。
「別れてくれ。もうお前とは付き合えないわ」
やっぱり。
「どうして?」
いちよう聞いてみる。
「お前と一緒にしてもつまらないんだよ。それに今どきマグロ女って、ははっ、身体の相性も悪いし。そう言う事だからじゃあな」
日和の頼んだホットコーヒーが運ばれて来るよりも先にカランカランとドアの音が店内に鳴った。
(マグロ女か……仕方ないじゃない。気持ち良くないんだから)
日和はまたか、と思いながらテーブルの上に置かれた千円札をボーッと眺めた。