一途な淫魔の執着愛〜俺はお前しか一生抱かない〜
 子供の洸夜には日和を探す力もなく、父親が金を持っていても子供の洸夜には探偵を雇う金も無い。高校生になりやっとバイトが始められコンビニでバイトを始めてはバイト代は全て貯金し、五十万貯まったところで探偵事務所に駆け込んだ。
 いかにも探偵です、と言いそうな風貌の男が三週間かけて日和の現在地を調べてくれ、やっと会える……と嬉しくて泣きそうになった。
 探偵の男が見せてくれた高校生の日和は五歳の頃の面影はそのまま、ロングヘアーの黒髪をなびかせて天使のような笑顔だった。今もまだその写真は額縁に入れて自宅に飾ってある。
 日和はパティシエになる為に高校を卒業したら専門学校へ行くらしい。探偵が言っていた。


『日和さんは立派なパティシエになるまで絶対に彼氏を作らないと友達に宣言していました。今もケーキ屋で週五でバイトをしているそうです』


 洸夜は日和の意思を尊重し、夢に向かっている日和の邪魔だけはしてはいけないと思い、会いに行く事を我慢した。会いに行く事は我慢したが居場所が分かったら夢の中に入る事はどうしても我慢できず毎晩のように日和の夢に入り擬似彼氏のような夢を見させた。
 それに大人になり自分も食事だけじゃ精気を賄えなくなってきたから、夢の中で日和を思う存分抱かせてもらい、たくさんの愛を告げてきたつもりだ。


「高校生の日和も可愛かったけど、大人の魅力に溢れる日和も……くっ……色っぽくて……」


 脳裏にフラッシュバックする日和の艶っぽい表情に、真っ白で綺麗な身体。


(あーあの綺麗な身体にぶっかけて俺ので汚してやりてぇな……全部、俺色に染まれば良いのに……)


 息が詰まり、勢いよく飛び出した。


(自分を汚してどーすんだよ……)


 はぁ、と深い溜息が出る。


「もっと早く日和の事を迎えに行けてたらヤリチンなんて勘違いされなかったのかな〜」


 そりゃ女の方から言い寄られる事も何度かあったが一途に日和だけを思っている洸夜はどんなにセクシーな女の前でも男の性が見事に機能しなかった。


(日和にしかこんな風に勃たねぇのにな)
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