一途な淫魔の執着愛〜俺はお前しか一生抱かない〜
 五年前、洸夜の父親がは肺癌で亡くなった。やっと日和が専門学校を卒業し、フランスに留学して一人前のパティシエになって日本に帰ってきた所だったのに。父親の癌が見つかった時は既に遅くてステージ4の末期癌。駆け足のように癌は進行し、あっという間に父親はあの世に行ってしまった。
 ハピフルコネクトライフの社長だった洸夜の父親の葬儀の喪主も息子の洸夜がしなければならなかったのと、急な社長の死去で洸夜が次の社長に就任した。目まぐるしい毎日だった。社長業務、経営、色んなことを頭に叩き込みながらも普段の仕事もこなし、完全に日和の目の前に自分が現れる絶妙なタイミングを失った。日和は何度か彼氏を作ってしまうし、もう悔しくて辛くて夢の中で日和の事を自分だけなしか感じられないよう、濡れないように洸夜は日和を抱き潰したのだ。
 五年も経ってやっと落ち着いてきた洸夜は日和の元へ現れようとしたが、まさか日和が婚活しようとしてハピフルに現れるとは予想外だった。予想外だったけれどこんなチャンス逃すはずがない。日和を社長室に呼び出して……婚約者にした。 


(はぁ、今日は最高な日だな……)


 早く日和に会いたい。今まで我慢していた分抱きしめて、キスして、声が枯れるまで日和を抱き潰したい。
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