一途な淫魔の執着愛〜俺はお前しか一生抱かない〜
「田邉様お待たせ致しました。本日担当させて頂きます西野(にしの)と申します」


 これまた目鼻立ちがハッキリした美人で、ショートカットがよく似合うスタッフ。男性会員はスタッフに惚れてしまうんじゃ無いか? と思ってしまうほど。


「では早速ですがあちらの個室にてアンケートを取らせていただきますね」


 こちらです、と案内された個室に入り一通りの説明を受け、入会する気満々だった日和はすぐに入会書にサインし、記入してくださいと出されたアンケート用紙を埋めた。
 相手に求める収入や職種、喫煙の有無など事細かに書き、自分の事もかなり細かく書いたのでかなり疲れた。


「ではこのアンケートを元に田邉様の条件に合ったお相手の方を探したいと思います。他にもパーティーなども開催しておりますので相性の良い方と必ず出会えると思いますよ。田邉様のお仕事はパティシエとの事ですが甘いものはお好きでしょうか?」
「あ、はい。好きです」


 日和は大の甘党だ。ケーキが大好きで専門学校に通いパティシエになりたいという幼い頃からの夢を叶えた。フランスに一度留学をし、今はパティシエとしてケーキ屋で働いている。


「よかったです。では今お持ち致しますので少々お待ちください」


 今時の結婚相談所ってケーキまで出してくれるんだ、嬉しい〜なんてお気楽な事を思っていたのだがなかなかスタッフの人が戻ってこない。


(遅いなぁ、どうしたんだろ)


 ふと何時か気になりスマートフォンを取り出し画面のロックを外そうとした所で西野が戻ってきた。なんだか慌てているような、最初の落ち着いた雰囲気はどこかへ消え去ってしまっている。


「田邉様大変お待たせいたしました。ケーキの方は社長室にご用意させていただいたのでご案内させて頂きます」
「へ? 社長室?」

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