一途な淫魔の執着愛〜俺はお前しか一生抱かない〜
「ひより!!!」
目の前には見たくもない無惨な光景。泣きじゃくる日和に、男が覆いかぶさっている。考える余地もない。洸夜は日和に覆いかぶさっている悠夜を殴り飛ばした。
「日和っ!!!」
今にも倒れてしまいそうな真っ青な顔、急いで自分の着ていたジャケットを日和に羽織らせ、ガタガタと震えている小さな身体を力強く抱きしめた。唇はき切れて血が滲んでいる。怖かっただろう……一気に湧き上がる怒りはすでに身体からはみ出している。殴り殺してしまいたい。今にでもあの男を何度も殴りたい情動が拳を震わせる。けれど今は日和が第一優先だ。とにかく日和を強く抱きしめた。
「日和、もう大丈夫だ。大丈夫、遅くなってごめんな。もう大丈夫だ」
何度も大丈夫を繰り返す、日和を落ち着かせるために、自分を落ち着かせるために。背中をゆっくりさする。何度も何度も大丈夫を繰り返した。