一途な淫魔の執着愛〜俺はお前しか一生抱かない〜
 身体から骨が無くなったように力の入らない日和をひょいと持ち上げソファーに背をつけた。日和に覆いかぶさっているのは洸夜だ。悠夜じゃない。でも、どうしてもフラッシュバックしてしまう。あの時の恐怖が。男の人の強い力で抑えつけられたことが、憎しみの感情をぶつけられたことが、ハッキリと蘇る。


「抱いて……」


 洸夜に抱かれたい。隅から隅まで洸夜に愛されたい。あの深い愛情に満ちた綺麗なブラウンの瞳に見つめられたい。
 洸夜の首に腕を回ししっかりと抱きついた。


「ん……ん……」


 引き寄せ合うように唇を重ねる。どうして洸夜とのキスはこんなにも身体が溶けそうになるくらい気持ちいいんだろう。悠夜と仲直りしたとはいえ、された事は記憶から消えない。悠夜のされたおぞましいキスを思い出してしまいバッと唇を離してしまった。日和の異変に気づいた洸夜は優しく日和の頬を撫でる。


「日和、俺が全部塗り替えてやるから安心して俺に抱かれて。俺の腕の中ではなにも余計なことは考えなくていい。俺だけを感じろ、な?」


 真っ直ぐに熱い視線で見つめられる。


「ど、どこ触られたとか聞かないの……?」
「聞かない。そんなこと口にしなくていいだろ? 俺が日和の身体全部を消毒してやるから、いい」


 優しさがツンと鼻の奥に染み、目頭が熱くなった。何も不安がることなんてない。この男に全てを委ねよう。
 そう思うとふと身体の力が抜け気持ちが楽になった。

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