イジワルな君の一途で不器用な恋心
「初対面はそう見えるけど、話してみたら全然」
「私も同じ。多分、口調がハッキリしてるのがキツく見られちゃうのかも」
「……そっか」
口調かぁ……。
この2人みたいに、語尾を柔らかくしたり、伸ばしてみたり。穏やかな話し方にするといいのかな。
自分のキャラには合わないけど……新しく入ってくる後輩と仲良くなるためにも、少し意識してみるか。
「でも、さすがにコブラは言いすぎだよな」
「だよね。普通のヘビでいいのに」
「そうよね⁉ そこがムカつくの!」
ずっと思っていたことを言われ、先程よりも激しく反応した。
「そりゃあ昔に比べたら、多少顔つきは変わってるかもしれないけどさ! それでも、わざわざ毒ヘビを選ぶかっての!」
思いっきり机を叩くと、2人の肩がビクッと揺れた。
しまった、つい怒りに任せて……。
それに朝から、しかも新学期初日から愚痴なんて。大半の人は聞きたくないだろうに。
「ごめん! また暴走しちゃった」
「大丈夫だよ。元凶、雷夜だし」
「そうそう! 全部ぶちまけちゃえ!」
「ううっ、ありがとぉぉ」
毎年毎年、毎日毎日、本当にありがとうございます。
手を合わせて、心優しい2人に感謝。
始業時間のチャイムが鳴るまで、お言葉に甘えて発散させてもらった。