イジワルな君の一途で不器用な恋心

「バレーとバスケかな。あと1個は卓球。枠少ないからダメ元だけど」

「あー、去年も希望してたっけ。今年こそ選ばれるといいね。私はバレーが第1で、バドミントンが第2で〜」



私の机で記入し始めた新菜。

先週までは角と角で離れていたのだけど、テストが終わった日に席替えして、運良く前後の席になった。



「一ノ瀬くんは何選ぶんだろう。今年も水泳かなぁ?」



新菜の視線をたどる。

真ん中の列の1番後ろ。新菜は以前よりも近くなった反面、私はだいぶ離れてしまった。


去年個人種目で3位だったもんな。運動神経いいし背も高いからバレーやバスケもいけそう。


いつメンの希望競技が気になりながらも、頭の中では別の人物の顔が浮かんでいた。







「──え、この1ヶ月で?」

「うん。自分でもまだビックリしてる」



お弁当でお腹を満たした昼休み。

相談会以降に起きた出来事を新菜に話したら、案の定驚かれた。



「そんなに変わっちゃったなんて……私のせいだよね」

「いやっ、新菜は悪くないから!」
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