イジワルな君の一途で不器用な恋心

謝罪の言葉が出てくる前に返したけれど、つむじが見えるくらい酷くうなだれている。


丸2時間相談に乗ってもらったから、その後どうなったか気になってるかなと思って報告しただけ。

責めるつもりは一切ないし、忙しい中時間作ってくれてありがとうって感謝してる。


それも伝えたのだが、優しい新菜は1度でも私を悩ませてしまったことが許せない様子。



「新菜のアドバイス、ものすごく役に立ったから!」

「……私、何て言ったっけ」

「嫉妬が湧かないくらい別のことに集中してみたらってやつ!」



中間と同様、期末期間中も1本早い電車で登校。

悩みのタネから距離を置き、一心不乱に勉強に励んだ結果、全教科全問解くことができた。



「新菜のおかげで、過去最高の点数が出るんじゃないかなって、いい意味でドキドキしてるの」

「そう……? ギクシャクしてない?」

「大丈夫。今朝も一緒に登校したし」



若干ぎこちなさは残るものの、直視しなければ普段通り会話はできてるし、ミワワちゃんへの猜疑心もだいぶ薄れている。
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