イジワルな君の一途で不器用な恋心
嬉しいんだよ。2人が仲良くなるの。
ミワワちゃんは初めて会った時の顔を見ているし、雷夜も人間関係で苦労を経験してきたと思うから。
気の合う仲間に出会えて良かったねって、心から喜んでる。
でも今は、ほんの少し疎外感を抱いているというか。
簡潔にまとめると、「仲良くするのはいいけど、私がいるのを忘れないでほしい」って感じ。
「学校決めも勉強もしなきゃなのに。いつになったらスッキリするんだぁぁぁ」
「ねぇ、もしかしてそれさ……」
新菜が口を開いたその時、チャイムが鳴った。
「わ、もうこんな時間。次移動教室だっけ」
急いで授業の準備を始めた新菜。
何て言いかけたのか気になりつつ、机から教科書とノートを出していると……。
「さっきの話さ、一ノ瀬くんにも話してみたら?」
「なんで?」
「他の人の意見も聞いたほうがいいと思って。あと同性だし。トイレ行ってくるから先に持ってっといて」
授業道具一式を私に預け、小走りで教室を後にしていった。