イジワルな君の一途で不器用な恋心
頷きながらスマホのメモアプリに打ち込む。
動きやすい服で、露出は抑える……っと。
長袖の服はこないだ衣替えした時に奥にしまっちゃったんだっけ。でも、薄手のパーカーは残してたはず。
確認するため、部活を早めに切り上げて帰宅した。クローゼットを開けて服を引っ張り出す。
うーん、めちゃくちゃ薄いなぁ。肌透けちゃってる。
防具貸してもらえるからそこまで気にしなくていいかもだけど……印象的には不用心よね。
他は部屋着でヨレヨレだから見栄え悪いし、冬用だと暑すぎて逆に体調崩しそう。
無難なのはジャージ? でもこの格好でお店は歩きたくないなぁ……。
熟考していると、スマホの振動音が鳴った。
「はい、もしもし」
【わりぃ、メッセージ送ろうとしたら間違えた】
オウム返しではなく謝罪の言葉で返した雷夜。
いつもと画面が違ったからなんか変だなと思ったんだよ。
「いいよ別に。何か用事でもあった?」
【あぁ、今週の金曜、一緒に動物園行かね?】