イジワルな君の一途で不器用な恋心
ゲームで白熱したあの日。休憩中に大和が『バイクに乗ってみたい』と言い出して。
『琳子も乗せてやるよ』って言われたから乗ってみた。
乗り心地は、予想の何倍も良かった。
他にも、エンジンのかけ方や構造を教えてくれて、非常に興味深かった。
だけど、このまま車と同じスピードで走るのかと想像したら、少し怖くなった。丸腰だったから余計にね。
今は守られてるから不安はだいぶ減ったかな。
「どう? 違和感ない?」
「大丈夫。どこも緩くないし苦しくないよ」
「よし、じゃあ乗ろうか」
準備が整い、いよいよ乗車へ。
空よりも濃い鮮やかな青。対する雷夜は原色ど真ん中の赤。
どちらも色の印象通りの性格で笑えてくる……。
「さ、どうぞ」
「ありがとう。それじゃ失礼します」
一ノ瀬くんの肩を借りてバイクに足をかけた。
「おお〜っ、なんて優しい乗り心地」
「はははっ、それは良かった。具合悪くなったりトイレ行きたくなったりしたらすぐ言ってね」
「了解っ」