イジワルな君の一途で不器用な恋心
春休み中なのをいいことに、夜遅くまでゲームしてるの、お姉ちゃん知ってるんだからね!
呆れた様子で溜め息をつく母をよそにニヤニヤしながら迫る。
「あれはただのおしゃべりじゃなくて交流。琳子みたいに失敗しないよう、仲を深めてるだけだ」
「なっ……!」
しかし、怯むそぶりもなく、ドヤ顔で言い返されてしまった。
こっ、このクソガキめぇぇ……っ!
未だにちょっと気にしてるのに、勝手に古傷をえぐるなぁぁぁ!
「あんたね! そんなんじゃいつか、ボロが出て友達離れるよ⁉」
「はいはい、ご忠告ありがとうございまーす」
白々しい口調でお礼を言われ、さらに頭に血が上る。
生意気なのはいつものこと。本気にせずスルーすればいい。
けど、年々反抗期が酷くなってきてるから、言い返さないと逆にストレスが溜まっちゃうんだ。
「それより、あれどうにかして。邪魔」
「そうよ。早く片づけて」
黙っていた母が同調してきた。
ダイニングテーブルの端には、大量の学校のパンフレットが山を作っている。