イジワルな君の一途で不器用な恋心
心の中で呟いた瞬間、過去の言動が脳裏をよぎった。
じゃあ、動物園に誘ったのは、私が元気なさそうに見えたから……?
「素直じゃないからなー。またヘビ呼ばわりしてきたら照れ隠しなんだなって思っていいよ」
「そ、そっか。ありがとう。次、後輩の話もいいかな?」
高鳴る胸と顔が熱くなる感覚。
まだ途中だったが、一段落ついたのでミワワちゃんの話に移る。
「おお、そりゃまた随分積極的だね。山川さんは何て答えたの?」
「言動が大げさだから警戒するタイプ。一ノ瀬くんは、どう感じます?」
「うーん……」
口を一文字に結んで考え込んでいる。
育った環境柄、たくさんの人と出会ってきたはずだから、偏見は持ってなさそうだけど……。
「昔の自分みたいだなぁ……って感じる」
「えっ、一ノ瀬くん、元大げさ男だったの?」
「まぁ、うん。事あるごとに好きな物をアピールしててさ。早く馴染めるように、毎日自分から話しかけてた」