イジワルな君の一途で不器用な恋心

だとしたら、これは恋愛感情から?


好きか嫌いかでいえば好きではある。なんだかんだ一緒にいて楽しいし安心するし。

それに、雷夜には母性本能が発動したことがない。


昔は可愛いと思ってたけど、ノッポに成長した今は全く。

むしろ、真剣な表情とか頼もしい姿に、かっこいいなって──。



「なぁ、お前、三者面談いつ?」



突然問いかけられて心臓がバクンと音を立てた。



「あぁ……木曜だけど。なに急に」

「部活どうすんのかなと思って。何時から?」

「3時。さすがに3時間近く待つのは退屈だから、その日は休もうと思ってる。そっちは?」

「明日の4時。零士も明日面談で一緒に休むから、もし誰かに聞かれたらそう言っといて」

「ん。了解」



返事をして窓の外に視線を戻す。


まぁ、別に焦る必要はない。

そりゃあ、恋愛対象として見ている可能性もあるかもしれないって受け入れたら、少しは楽になれるのだろうけど……。



『──この、泥棒猫が!』



今、無理して答えを出したって、古傷が疼くだけだから。
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