イジワルな君の一途で不器用な恋心
「……スポーツ大会、何に出るの?」
「バスケだけど。ガン見するくらい気になってたの?」
「去年あんたのクラスにボコボコにされたから。今年は何やるのかなって」
よし、なんとか乗り切った。
バレーで打ち負かされた経験がここで役に立つとは。
「三原くんとはまたバラけた?」
「おぅ。今年はあいつがバレーに出る予定。最後は一緒にやりたかったんだけどなー。琳子は?」
ホッとした時間、わずか9秒。詰めが甘かった。
「卓球」
「へぇ、山川さんと2人で出る的な?」
「いや、1人」
「え、マジで? 希望全部外れたとか?」
「なわけないでしょ。それじゃなんのために第3希望まで書いたっていうのよ」
話題に出したら詳しく聞かれるかもしれないって、一ノ瀬くんの時に学んだはずなのに。自分で墓穴を掘ってどうする。
根掘り葉掘り質問されるのを覚悟していたが、タイミングに恵まれて最寄り駅に到着した。
広場でミワワちゃんと合流し、学校へ向かう。