イジワルな君の一途で不器用な恋心

「……スポーツ大会、何に出るの?」

「バスケだけど。ガン見するくらい気になってたの?」

「去年あんたのクラスにボコボコにされたから。今年は何やるのかなって」



よし、なんとか乗り切った。

バレーで打ち負かされた経験がここで役に立つとは。



「三原くんとはまたバラけた?」

「おぅ。今年はあいつがバレーに出る予定。最後は一緒にやりたかったんだけどなー。琳子は?」



ホッとした時間、わずか9秒。詰めが甘かった。



「卓球」

「へぇ、山川さんと2人で出る的な?」

「いや、1人」

「え、マジで? 希望全部外れたとか?」

「なわけないでしょ。それじゃなんのために第3希望まで書いたっていうのよ」



話題に出したら詳しく聞かれるかもしれないって、一ノ瀬くんの時に学んだはずなのに。自分で墓穴を掘ってどうする。


根掘り葉掘り質問されるのを覚悟していたが、タイミングに恵まれて最寄り駅に到着した。

広場でミワワちゃんと合流し、学校へ向かう。
< 149 / 314 >

この作品をシェア

pagetop