イジワルな君の一途で不器用な恋心

あとは、学年と見た目の雰囲気、キャラの系統と背丈と……通学手段?

一ノ瀬くんによると、『通学路が途中まで同じだから、時々一緒に帰ってる』って。


だとすると、交流する機会が少ないから? でも、あまりにも単純すぎるな。

なんとなくだけど、他にも隠れてる気がする。


これまでに抱いたモヤモヤを根底から一気に解消してくれるような、決定的な何かが。


学校に着いた後も休み時間も、くまなく探してみたものの、納得できそうな原因は見つからず。

あっという間に全ての授業が終わってしまった。



「ええっ! 逃げられちゃったの⁉」

「そうなんだよ。なんか勘づかれたみたいでさ」



下校する生徒達とすれ違いながら、一ノ瀬くんと2人で部室へ向かう。


実は相談した日の夜、どうしてもあの2人が頭から離れなくて。

本当は自分で聞かなきゃいけなかったんだけど、勇気が出なくて、『雷夜と尾行していたかを聞いてみてほしい』と一ノ瀬くんに頼んだ。


その翌日、剣道の稽古帰りにバッタリ遭遇したらしい。

しかし、危険を察知したのか、尋ねる前に逃げられてしまったのだそう。
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