イジワルな君の一途で不器用な恋心
スラックスの裾が上がり、足首が露わになった。
白いテーピングテープと黒いサポーター。
確かにこの状態なら脱ぎにくそう。それで送ってもらったってわけか。
外靴から上履きに履き替えさせた後、彼の荷物を持ち、ゆっくりと一緒に階段を上る。
「おはよう〜」
「おはよう立石! え、その足どした?」
「あははー……ちょっと、グキッて、やってしまいました」
「ええー! マジ⁉ 大丈夫⁉」
教室に入った途端、異変に気づいたクラスメイト達がわらわらと集まってきた。
詳細を聞いたところ、診断結果は捻挫。
幸い軽症のようで、1週間もすれば痛みも落ち着くだろうとのこと。
重症じゃなくて一安心だけど……スポーツ大会どうするんだろう。
来週の月曜だから、今日が1日目だとすると……6日目よね。ギリギリだなぁ。
出場できるか心配していたら、あっという間に2時間目の授業が終了した。
「琳子、ちょっといい?」