イジワルな君の一途で不器用な恋心
イタズラっぽい笑顔で毛先をつままれ、ムッと睨む。
額を出した爽やかさ全開の髪型に凛々しい顔立ち。
この細身ノッポの彼は目黒 雷夜。私と同じ高校に通っている友人だ。
「やめてよ。さっき直したばかりなんだから」
「わりぃわりぃ」
パシッと手を叩いて振り払うも、悪びれる様子もなくヘラヘラ笑っている。
毎朝毎朝……そんなに似てる?
ポニーテールをスネイクテール呼ばわりする人、多分地球上であんたくらいよ?
「またゲームしてたの?」
「いや、起動しただけ。ログインボーナス、忘れないうちに回収しとこうと思って」
「おお〜っ、見事な隙間時間の使い方。さすがちゃっかリンコ」
「俺も今のうちに」と、雷夜もポケットからスマホを取り出した。
ちゃっかリンコって。3年生になっても相変わらずね。
まだ少し時間があるので、ここで軽く自己紹介を。
朝日 琳子。ゲームが趣味の動物大好きオタク。
「よっしゃ! 星6ゲット!」