イジワルな君の一途で不器用な恋心

ふふふっと口角を最大限に上げて、「おかわりいかが?」とコーヒーポットを見せてきた春岡さん。

赤面しつつ、マグカップを差し出す。



「約束を破っちゃったのは良くなったけど、友達を優先しないといけないほどの事情があったのかもね」

「裏ではバチバチしてる、みたいな……?」

「そうそう。陰口言ってた子も、表面上は穏やかだったから。憶測で決めつけるのは良くないけどね」







春岡さんの言葉が後押しになり、ミワワちゃんともう1度話し合おうと決心した。

帰宅後、震える指で文字を打ち、謝罪文と一緒に送信。

したのだけど──。



「やっぱ今からでも変更したほうがいいかな……」



生物室前の廊下に立ち、ミワワちゃんとのチャット画面とにらめっこする。



【昨日は酷いこと言ってごめんね】

【もう1度会って話したいです】

【今日の放課後、空いてたら一緒に帰らない?】

【明日の昼休みか放課後、空いてる?】

【今、部室の前にいるんだけど、少し出てこれないかな? 急でごめんね】
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