イジワルな君の一途で不器用な恋心
水曜、木曜、そして5分前に送信したばかりの金曜日のメッセージがズラッと並ぶ。
無視されてるのに、めげずに毎日連絡。
冷静になって振り返ると、必死すぎてちょっとイタいな……。
特に最後のメッセージなんて、しつこいを通り越してホラー。でも、一応既読にはなってるのよね。
窓に貼りつく水滴とその奥の曇り空を眺める。
さっき雨降ってたから、外だと濡れるかなと思って室内にしたんだけど……渡り廊下とかのほうが良かったかな……。
画面をタップしてキーボードを表示させたその時。
「琳子先輩」
名前を呼ばれてパッと顔を上げると、小型犬グループの女の子達がいた。
およそ1ヶ月ぶりの再会。
普通なら笑顔を浮かべて喜びを噛みしめるはずなのだけど……なぜかみんな、しかめっ面。
一体何事かと狼狽えていると、グループ内で元気印だった子が一歩前に出てきて。
「ミワワちゃんに酷いこと言ったんですってね」
「え……?」
「知らないフリしても無駄ですよ。一昨日の朝、挨拶したらすぐ泣きついてきたんですから」