イジワルな君の一途で不器用な恋心

慌てて口を挟んだけれど。



『ケガ?』

『いえ。ニキビができちゃって。私、肌荒れしやすいタイプなのでよく貼ってるんですよ』

『恥ずかしいので内緒にしてくださいね』



……ダメだ、言えない。



「違う? 誰がやったか知ってるんですか?」

「いや……誰の、せいでもないよ」

「ええっ? じゃあぶつけたとでも?」

「…………」

「ほらやっぱり。答えられないってことは先輩がやったんですね」



違う、私じゃない。

触ったのは腕だけ。顔は一切触ってない。

できた原因が私にあるなら、私のせいになるけど、ケガなんて……。



「本当に違うんだって。私そんなこ……」

「先輩は黙っててください。ミワワちゃん、誰にやられたの?」

「……琳子先輩じゃないよ」

「えっ、ほんとにぶつけたの?」

「…………うん」

「いやいや、絶対嘘でしょ。ミワワちゃんドジっ子じゃないし」

「大丈夫だよ。私達がいるから。正直に言ってごらん」
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