イジワルな君の一途で不器用な恋心

『誰にケガさせられたの?』

『りんこちゃん』

『あたしじゃない……っ』



5歳児に向ける顔かと心底疑うほど冷たく睨みつける担任の先生と、私を指さしてほくそ笑むクラスのボス的存在の女の子。


幼少期からキツめの顔立ちで悪役顔だった私は、よく濡れ衣を着せられていた。


どんなにいい子にしていても、週に1回。
酷い時は、週に3回の頻度で怒られていて。


クラス替えして新しい友達ができても、1学期が終わる頃にはみんな離れていってしまっていた。


けど、別のクラスだった雷夜だけは傍にいてくれた。

だから、孤立はしても独りぼっちではなかった。


おもむろに立ち上がり、スクールバッグを床に置いてベッドに腰かける。


雷夜がいなくなった後は独りぼっちになってしまったけれど、暑中見舞いや年賀状でやり取りしていたので、学校では1人でもさほど寂しさは感じず。


学年が上がるにつれて濡れ衣を着せられる回数も減り、小5と小6の2年間は無遅刻無欠席で乗り切った。
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