イジワルな君の一途で不器用な恋心
涙でぐちゃぐちゃになっているのも気にせず、首を横に振る。
そんなことないよ。雷夜はよくやってるよ。
私、知ってるんだよ、後輩の相談に乗ってたの。
内容も全員分覚えてて、時々気にかけてたのも知ってる。
ミワワちゃんのことだって。
登下校中、いつも車道側歩いてるの、気づいてないとでも思った?
正直、副部長の自覚あんのかよって呆れた時もあった。
暴走しすぎて部室で声荒らげたり、話に夢中になりすぎて道草食ってたりとか。
部長がしっかりしているがゆえに、自由奔放な言動が悪目立ちしてたこともあった。
だけど、なんでもかんでも背負わなくていいんだよ。
起きた問題は全部自分の責任だって、1人で抱え込まないで。
「雷夜は……悪くないよ……」
「……わりぃ。でも、お前がケガさせたわけじゃねーだろ」
溢れてきた涙を指で拭う雷夜。
どうして、証拠もないのに……っ。
「なんで、そう言い切れるの……?」
「お前なぁ……」