イジワルな君の一途で不器用な恋心
すぐ返ってきたメッセージに目を通す。
現在、新菜は唐揚げと地鶏の炭火焼を、一ノ瀬くんは野菜スープとケーキを買いに行っている。
全部食べるのはお金がかかるからってことで、少しずつ分け合って食べようって話になったんだ。
席を確保して数分待っていると、新菜と一ノ瀬くんがやってきた。
テーブルの上に買ってきた食べ物を並べ、それぞれ気になった物をチョイス。
カツサンドを食べながら、このあとの行き先決めや後夜祭の話題で盛り上がる。
「あ、そうそう。目黒くん、今日ちょっと髪型違ったね。オールバックだった」
「会ったの?」
「うん。看板持ってうろうろしてたから話しかけちゃった。似合ってるね〜って褒めたら、『いや〜それほどでも〜』ってデレデレしてたよ」
「ふははっ、単純だな」
はぁぁぁ⁉ デレデレしてただぁ⁉
なによ、今朝私が褒めた時は『おぅ、サンキュ』としか言わなかったくせに!
ちょっとなんか本気で心配になってきたんですけど……。
「一ノ瀬くんはそのまま?」
「うん。バイク乗るから。セットしても崩れちゃうし」
「へぇ〜、バイクで来るんだ。中庭の彼女ちゃんと一緒に来るの?」