イジワルな君の一途で不器用な恋心

「ドレスとタキシードの写真、見せてね!」

「はーい。そっちも、感想聞かせてね」

「オッケー!」



その後、早めの昼食を終えた私達は自分のクラスのお店へ向かい、店番を交代。

ひっきりなしにやってくるお客さんから、お金をもらっては唐揚げを手渡すという作業を繰り返したのだった。







文化祭が幕を閉じ、後片づけを終えて家に帰ってきた。

普段より早めに夕飯を済ませ、自室の全身鏡で身だしなみを整えて、持ち物の最終確認を行う。


スマホとお財布、ポーチと、何かあった時用のエコバッグ。

お金は使わないとは思うけど、念のために300円持っていって。

あっ、スマホの電池確認しなきゃ。


スマホを手に取った瞬間、真っ暗だった画面が着信画面に変わった。



「はい、もしもし」

【もしもし。琳子? 今どこいる?】

「家、だけど。もうすぐ出ようかなーって思ってたとこ」
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