イジワルな君の一途で不器用な恋心

声を張り上げて答えると、腕を振り払ってスタスタと歩き出した。


えええええーー⁉ 20代ーー⁉ わっっっか!!
あの渋りようから、40代前半かと思ってた。

って、ツッコむところはそこじゃねぇ。



「おい、確かに大体でいいとは言ったけどよ、さすがに23はねーだろ」



我に返り、ふて腐れている琳子に駆け寄る。


そうだ。この年齢だと明らかにおかしい。


小学生の頃、仮に小1から通い詰めていたとして……1番近いので14歳差。

童顔なら20代と言っても通用するのだろうけど……こいつはハッキリと『23歳』と言った。

小6からでも9歳差だから、計算が合わねーんだよ。


もう1度問いただそうとしたその時。



「ツヨシくーんっ」



前方のエリアから聞こえてきた声にバッと顔を上げる。



「なぁ、今のって……」

「……そうだよ」



再度琳子の腕を取って小走りで駆け出す。



「ちょっ、そんなに急がなくても……っ」

「急ぐに決まってんだろ! 今がチャンスなんだぞ!」
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