イジワルな君の一途で不器用な恋心
レアキャラを引いて喜んでいる隣の彼に、入学時からコブラ呼ばわりされている高校3年生。
雷夜は小学校時代の同級生で、高校に入って再会したのを機に一緒に登校している。
のだけど……さっきみたいに、毎回だる絡みしてくるのよね。
だから、友人よりも、腐れ縁と表現するほうがしっくりくるかな。
しばらくすると、ホームに電車が入ってきた。
最前列に並んでいた私達は、そのままスムーズに乗車し、窓際へ。
「天気良好、視界良好。今日はいいことありそう!」
「はいはい。あるといいね」
爽やかな笑顔で韻を踏んだ彼をチラッと見上げる。
……相変わらず、無駄に整った顔しちゃって。
ドアが閉まり、電車が動き出した。流れる景色を眺めながら回想する。
4月生まれの私と3月生まれの雷夜。誕生日はおよそ1年違い。
そのため、昔は私よりも小さく、知り合ったばかりの時は学年1の小柄だったんだとか。
それが今や、モデル並みの背丈に。
私も背が高い部類に入るけど、それでも10センチ以上の差がある。見下ろしていた頃が懐かしいな。