イジワルな君の一途で不器用な恋心

「サプライズ? どんな?」

「……チョコプレートに、交際おめでとうって書いてくるとか」



スパゲティを口に運び、あれやこれやと想像を走らせる。


2人とも長身でキリッとした顔立ち。

だけど、中身はとても気さくで面倒見がよく、私が小学生の頃は、手作りのパウンドケーキでおもてなししてくれた。


さっき囁かれた時、おばさんだけじゃなくて、おじさんもニコニコしてたからなぁ。

車の中でも話題になっただろうし、何か企んでいてもおかしくはない。


そう言うと、ぶははっと盛大に笑われてしまった。



「さすがにそこまではしねーよ。一人息子の誕生日なんだぞ? 祝うとしたら追加でケーキ買ってくるか、プレートの代わりに旗飾るとかじゃね?」

「旗って……」

「ハート型のやつか、赤かピンクのやつ。ろうそくもあるかもな」



安易に想像できてボンと顔の熱が上がる。


旗でもろうそくでも、ハート型ならどっちも恥ずかしいって……!


どうしよう、全面にびっしり刺さってたりしたら。

雷夜んちに遊びに行く度に、どころか、ケーキ見かける度に思い出しちゃいそう。

今後もお家デートを続けるためにも、ケーキを出される前に発表するか……。
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