イジワルな君の一途で不器用な恋心

「ええっ、な、なんで」

「ツヨシのこと思い出すから」



フンと鼻息を鳴らした彼が、私の腰をガッチリとホールドした。



「初恋相手を紹介されただけでも悔しかったのに。なんなんだよ、イケメンでムッキムキでみんなに愛されててさぁ」

「え、なに突然。嫉妬してるの?」

「そうだよ。俺のことほったらかして、連写して動画撮りまくって。帰り道もあいつの話ばっかり。おまけにロック画面もあいつって」



ブツブツと文句を垂れている。


なんでロック画面のこと知ってるの。
っていうか、あんなに意地張ってたのに、とうとう開き直ったな⁉

確かに別行動させてしまったのは申し訳ないと思ってるよ。


でも……。



「俺がどんだけ妬いたかわかってんの?」

「そんなこと言われても……っ」



だからって、今ここで責めなくてもいいじゃない。

見られたら恥ずかしいから設定してないだけで、待ち受け画面は、後夜祭の時に撮ったあんたとのツーショットなんだよ。
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