イジワルな君の一途で不器用な恋心

怯んだ隙に両手を振りほどき、拾った写真集を盾にしてガード。


グーパンの時よりも痛がる時間が長いな。

バイクに乗れなくなるとまずいから急所は外したんだけど……もしかして弱点突いちゃった?



「……あ! 漫画!」

「いいよ。明日もらうから。ちゃんと部屋片づけとけよー」



ややふらつきつつも、べー、と舌を出して退室した雷夜。

恥ずかしくなって、枕元のクッションをドアに向かって投げた。







夕食を済ませた夜7時過ぎ。

パンフレットの山を床に下ろし、キャスター付きの引き出しを開ける。


手前から奥まで、教科書とノート、ファイルでぎっしり。

むむむ、入れる隙間が1ミリもない。

とりあえず、ファイル類を全部出して、学校関係のものとそれ以外のものに分けよう。


1つずつ開いて中を確認していると、年季を帯びた紙製のファイルから、ひらっと紙が1枚。



「わぁ……! 懐かしい……!」
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