イジワルな君の一途で不器用な恋心
怯んだ隙に両手を振りほどき、拾った写真集を盾にしてガード。
グーパンの時よりも痛がる時間が長いな。
バイクに乗れなくなるとまずいから急所は外したんだけど……もしかして弱点突いちゃった?
「……あ! 漫画!」
「いいよ。明日もらうから。ちゃんと部屋片づけとけよー」
ややふらつきつつも、べー、と舌を出して退室した雷夜。
恥ずかしくなって、枕元のクッションをドアに向かって投げた。
◇
夕食を済ませた夜7時過ぎ。
パンフレットの山を床に下ろし、キャスター付きの引き出しを開ける。
手前から奥まで、教科書とノート、ファイルでぎっしり。
むむむ、入れる隙間が1ミリもない。
とりあえず、ファイル類を全部出して、学校関係のものとそれ以外のものに分けよう。
1つずつ開いて中を確認していると、年季を帯びた紙製のファイルから、ひらっと紙が1枚。
「わぁ……! 懐かしい……!」