イジワルな君の一途で不器用な恋心
うーん、この時間だとレベル上げは難しそうね……。お風呂もあるし、早めに寝る予定だし。
経験値とアイテムだけ集めておきますか。
ボタンを押してソフトを起動。
いつものようにクエストを周回しようとしたのだが……。
「……え?」
画面に表示されている見慣れない男の子のアバターに戸惑いの声を漏らす。
あれ? 大和のと間違えた?
いや、でもあいつは別のバージョンのソフトだったはず。
「……まさか」
嫌な予感がして慌ててスマホを取った。
【はい、もしもし】
「もしもし! あんた今、時間大丈夫?」
【おぅ、大丈夫だけど。どうかした?】
「実は、今ゲームしてるんだけど……なんか、雷夜のソフトっぽくて」
【え? マジ?】
事情を1から説明し、私のものと入れ替わってないか確認してもらうようお願いした。
【もしもーし。琳子の言う通り、入れ替わってる。パーティーにライヤがたくさんいるもん】