イジワルな君の一途で不器用な恋心
受け取るやいなや、封を開ける手がピタッと止まった。
「あとライヤどんだけいんだよ。52号って作りすぎだろ。俺でさえ20体しか作ってねーのに」
「は⁉ 20⁉ あんな可愛さの欠片もないリンコを20体も⁉」
「おぅ。結構似てるだろ? デカいし細いし凶暴だし」
「全っ然似てないから! 1匹くらい可愛い顔のやつ作りなさいよ!」
周りに人がいないのをいいことに言い争う。
予想通りだったとはいえ、育成済みのライヤを
全部見るなんて。本当変態。
我慢してお気に入りパーティーとアイテムしか覗かなかった私がバカバカしく思えてきた。
「まもなく、1番乗り場に、7時57分発──」
お互いにそっぽを向いていると、アナウンスが駅のホームに響いた。急いで中を確認し、ポチ袋をスクールバッグにしまって電車を待つ。
「ところでさ……ツヨシって誰?」