イジワルな君の一途で不器用な恋心

受け取るやいなや、封を開ける手がピタッと止まった。



「あとライヤどんだけいんだよ。52号って作りすぎだろ。俺でさえ20体しか作ってねーのに」

「は⁉ 20⁉ あんな可愛さの欠片もないリンコを20体も⁉」

「おぅ。結構似てるだろ? デカいし細いし凶暴だし」

「全っ然似てないから! 1匹くらい可愛い顔のやつ作りなさいよ!」



周りに人がいないのをいいことに言い争う。


予想通りだったとはいえ、育成済みのライヤを
全部見るなんて。本当変態。

我慢してお気に入りパーティーとアイテムしか覗かなかった私がバカバカしく思えてきた。



「まもなく、1番乗り場に、7時57分発──」



お互いにそっぽを向いていると、アナウンスが駅のホームに響いた。急いで中を確認し、ポチ袋をスクールバッグにしまって電車を待つ。



「ところでさ……ツヨシって誰?」
< 67 / 314 >

この作品をシェア

pagetop