イジワルな君の一途で不器用な恋心
ライバル登場!?
雷夜side
お弁当を平らげた木曜日の昼休み。
「ツヨシって誰だよ……」
窓の外を眺めながら、水筒を片手に溜め息をつく。
GW最終日に起こった、ゲームソフト入れ替わり事件。
いじるなと言われていたのだが、覗くなとは言われてなかったので、日付が回るギリギリの時間まで見てやった。
感想は……さすが大会優勝経験者って感じ。隙のないパーティーだらけだった。
同じキャラでも、サポートやアタッカーなど、担当によって技が変わっていたり、各々の短所を補う組み合わせをしていたり。
俺が思いつかないような編成ばかりで、悔しいが勉強になった。
強さの秘訣を知りたい。そう思い、若干罪悪感を抱きつつも、育成ボックスを見てみることにした。
いたのは、大量の赤ちゃんモンスター達。
名前は、「ライヤ」「ヤマト」「ミワワ」と……。
「一体誰なんだよツヨシって……」
「雷夜、お前もうそれ何回言うんだよ」
回想していると、彫りの深い顔の男が前の席に座った。