イジワルな君の一途で不器用な恋心
「あ、おはよう琳子〜」
ドアを開けると、友人の山川 新菜が手を振って出迎えてくれた。
「おはよう。今年もそこに座ってるってことは……」
「うん! 今年も1番だよ!」
「どうぞどうぞ〜」と言いながら、1つ後ろの席に移動した新菜。
スクールバッグを机のフックにかけ、椅子に座る。
「3年連続、出席番号1番おめでとう〜」
「ありがとう。そっちこそ、3年連続30番おめでとう」
謎のお祝いメッセージをもらったので、自分も同じように返した。
黄みがかった茶色のウェーブヘアに、パッチリおめめの華やかな顔立ち。
見た目は完全にカーストトップの1軍女子。
初めて話しかけられた時はギャルに絡まれたと思ってビクビクしてたけど、意外にも、性格はのほほんとしてるんだ。
入学当初の頃を思い出していると、後ろでドアの開く音が聞こえた。
「朝日さん、山川さん、おはよう」
「一ノ瀬くん! おはよう!」