イジワルな君の一途で不器用な恋心
「事あるごとにブツブツブツブツ。今日だけで15回は聞いたぞ」
「数えてたのかよ」
「毎日うるさかったからな。ちなみに初日は30、2日目は27、昨日は24。今日の分を足すと96。あと4回で大台突入だ」
「細かっ。暇人かよ」
謎の記録を教えてきたこの彼は、友人の三原 丞之助。あだ名はジョー。
海外モデルのような容姿だが、日本で生まれ育った生粋の日本人。
1年生の頃からのクラスメイトで、俺と零士で作ったバイク同好会のメンバーでもある。
といっても、俺と零士しか免許持ってないから、ジョーの活動内容は主に観賞と勉強の2つだけだけど。
「まだ見当つかねーの?」
「ついてたらブツブツ呟かねーよ。でも、全然ってわけじゃない」
回想を再開し、日曜日から水曜日までの4日間を振り返る。
最初は区別のためだと思ってた。
メインパーティーから育成グループまで、ざっくり数えた結果、合計所持数はおよそ900。
いくらオタクでも、全キャラのデータを完璧に把握するのは大変。
だから、強いキャラにだけ付けて、管理しやすくしているんじゃないかって。